現役臨床検査技師のパンダママが臨床検査の裏側や豆知識をご紹介。
今回は心電図検査のお話です。
最後によく聞かれる質問なんかもご紹介!
心電図検査とは
心電図検査は受けたことありますか?
心電図検査とはベッドに寝て電極を手足首と胸の数か所につけて、波形を出す検査です。
その波形から心臓に異常がないかチェックします。正式には12誘導心電図検査と言います。

病院で生理機能検査をする臨床検査技師にとってまず初めに覚える基本的な検査です。
検査数も採血に次ぎ多く、検査時間は準備を含めても2、3分で終わる検査です。
心電図検査あるある
今回は心電図検査で起こるあれこれや裏側の話をあるある系式でご紹介します
若い人ほどくすぐったがる
検査を受けたことがある人は分かると思いますが、この検査は胸に直接6つの電極をつけます。
シールの電極の場合もありますが、大抵は吸盤です。
これが意外とくすっぐたいらしく感覚が敏感な若者たちはプルプルしていることがよくあります。
心電図検査を受けてくすぐったーい!と思ったあなたはまだまだピュアな感覚をお持ちなのかも…
おばさまの靴下意外とカワイイ
検査はベッドに横になって行うため、必然的に靴は脱いでいただきます。また両足首にクリップの電極を挟むため靴下は下げてもらいます。
ストッキングやタイツは脱いでもらうことになるから心電図検査がある日は避けた方がいいかもね!
その際にどうしも目についてしまうのが靴下のデザイン
一見普通のおばさまの靴下が意外と可愛いいキャラクター系のことが多いです。
かなり高齢のおばあちゃんがキャラ系の靴下を履いているのを見るとほっこりしてしまいます。
ちなみに、おじいちゃんが孫のものであろうギャルファッションのショップバッグに荷物や書類を入れて来ることもよくあります。
豊胸の胸は一発で分かる
胸に電極をつけるため、男性も女性も服は全部脱いでいただくか、首の下までたくし上げて頂きます。
胸の出すのが恥ずかしいー!って思う方もいるかもしれませんがご安心を。
1日に何十人もの胸を見るのでいちいちどんな胸の人だったかとかは覚えていないです。もはや見ていないです。
しかし豊胸手術を受けている方の胸は一目瞭然なのです。
大抵の女性の胸(特に豊満な胸)は仰向けになると多少は重力で横に流れるのですが
豊胸の方はまさに綺麗なお椀型で重力にも負けません!
美しい!今の医療はすごい!!
二人の子供達に吸われ尽くされた悲しいおっぱいの持ち主のパンダママは羨ましくさえ思ってしまします。

冬場の患者さんの厚着っぷりがすごい
検査は基本は手足首が出て胸が出るように服をまくって頂くのですが
冬場は肌までの道のりが長いこと長いこと。
足首を出すのにもズボンをまくって、厚手の靴下を下ろして、モモヒキをまくって、2枚目の靴下を下ろして…
胸を出すのにも上着を脱いで、セーターを脱いで、シャツのボタンを開け、インナーをまくり、さらに下のインナーをまくり、さらにその下のインナーをまくり…
どんだけ着てるのよー!!!
と思ってしまうことがしょっちゅうです。よって冬場は検査の回転が悪いです。
ご高齢の患者さんは白い粉が舞う
これも特に冬場に多いのですが、ご高齢の患者さんの肌の乾燥っぷりを甘く見ては行けません。
服をめくったり、靴下を脱ぐときに肌から大量の粉が舞い散ります。
粉雪舞ってるー!
おそらくみなさんが想像する粉吹きの3倍はあります。
患者さんが去った後のベッドはうどんでも打ったのか?!と思うほどの粉っぽさです。
きちんと綺麗にしてから次の患者さんを入れるので安心してくださいね。
循環器内科依頼の心電図はドキドキ
循環器内科は主に心臓や血管を内科的に診る診療科です。
故に心電図検査は非常に重要な診断材料になります。
重い不整脈や心筋梗塞、狭心症などの所見がある場合はすぐさま担当の医師に報告しなくてはいけません。
心電図で明らかな異常があるのに、そのまま患者を帰宅させてしまったり、歩いて病院内を回らせてしまったら命に関わる場合もあります。
よって、他の診療科ももちろんですが循環器内科依頼の心電図はよりピリピリしながら検査をしております。
心電図検査でよく聞かれること
心電図検査をしていて、よく患者さんに聞かれることや、知っていてもらいたいことも簡単にお答えします。
心電図検査は手足と胸にコードが、繋がるため「電気を流されるのでは?!」と誤解を受けやすいですが、電気は一切流れません。
逆に心臓や身体に流れる微弱な電気信号を読み取っています。
胸に着ける電極がくすぐったいぐらいです。安心して受けてくださいね。
体が小さい赤ちゃんには足首のクリップや電極は使わずシールタイプの電極を使います。
不整脈や狭心症など、発作的に起きる異常は多々あります。
検査時はもちろん診察の際も医師に伝えてくださいね。
ホルター心電図検査と言って24時間(2、3日の場合もある)心電図を記録し続ける検査もあります。
大抵はかき分けて、電極は何とか着けられます。
1年に1回くらいどうしてもダメで胸毛を切らせてもらうこともあります。
たまに剃ってきてくださる患者さんもいますが、気になさらないで大丈夫です!
ただ、体勢によって心臓の向きが変わるので仰向きの時とは心電図の波形の形が変わります。
大抵は影響ありませんが、状態によっては参考程度の結果になります。
安心して検査を受けてくださいね
病院で検査を受けるってだけでもとても緊張しますよね。
さらに初めての検査だと恐怖もあると思います。
しかし心電図検査は痛みも体への負担もないとても安全な検査です。
緊張してしまうと、体に力が入ってしまい心電図の波形に筋電図という筋肉からの電気信号が混入してしまい検査に影響が出てしまいます。
なので是非リラックスして検査を受けてください。